2015年4月21日火曜日

BPOへの政府介入を防ぐために

テレビ朝日とNHKの幹部を今月17日に呼び出し
放送内容に関する事情聴取をした自民党は、
これを機に BPO(放送倫理・番組向上機構)について、
政府が関与する仕組み作りを検討するという。

テレビ番組の問題点を検証する役割を担うBPOに
政府が介入すれば、
政権批判報道をやりにくくなるであろうことは想像に難くない。
結果として、表現規制につながる懸念は拭えない。
報道機関の「権力の監視」機能が骨抜きにされれば、
視聴者は政権に都合の良い情報ばかりを
浴びせられることとなる。

では、
政府がBPOへ介入することを防ぐために、
テレビ局に出来ることはあるのか。

政府による表現規制の動きはかねて、
「性」と「暴力」に関するものを端緒としてきた。

これらの表現であれば「青少年保護」を名目に、
規制に対する社会の理解を得やすいからである。

だからこそテレビ番組の作り手たちは、
規制の入口となる「性・暴力表現」において
隙を見せてはならない。

BPOの青少年委員会はこれまで、
「少女を性的対象視する番組」や「出演者の心身に加えられる暴力」について
要望や見解を出し、テレビ局側に対応を求めてきた。
だが、その後も過激な表現を繰り返す番組がある。

こうした日本のテレビ番組における人権意識の低さは、
海外のメディアからも「BPOがあるのに、なぜ?」と映るようで、
私も先日インタビューを受けたところだ。

放送の規律を定めた放送法は、もともと終戦後にGHQが
日本に民主主義を定着させるために制定したものである
(当時も政府は抵抗した)。
BPOも、テレビ局の自主規制を重んじる第三者機関だ。

放送の自律を保障するこれらの仕組みを維持するために、
「現行のBPOが十分な働きを発揮しており、政府の介入は必要ない」ことを
テレビ局は示さねばならない。
まずは性・暴力表現のあり方を再考することが求められよう。

具体的にどう改めるか、という点については
下記の関連記事や参考文献で述べている:

<関連記事>
「子どものためのテレビ作り」とは
メディア表現の影響と「明日、ママがいない」


【参考文献】

Book3 『オトナのメディア・リテラシー』
         (リベルタ出版)  


メディアの性・暴力表現が
見る者に与える影響について
  
●大学入試 出題文献  
●小論文模試 出題文献


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